Selecta-mount

スピーカはリスナーが望むどのような場所にでも設置できるとは限りません。ふつうの自立型スピーカは、壁に接して配置されると、いわゆる“境界効果”をこうむる可能性があります。これは“低音域変化”や不自然な低音応答特性を引き起こすものです。

KEF社新しいセレクタマウント・システムは巧妙な内部システムを使い、スピーカがどのように設置されても、状況による音域のクロスオーバ特性を自動的に調整します。その結果、スピーカを思い通りの場所に設置できるようになり、すばらしい音を楽しむことができます。
 

Selecta-mount

壁またはスタンド設置で自動音響補正機能を有する。 Play Movie >
 
 
 
スピーカから出る音は部屋の中のどの位置にスピーカが設置されるかによって変化します。自由空間から壁近くに変えると、聴く位置での音は著しくかわってしまいます。自由空間ではスピーカの後部に分散される音が、壁近くに配置されたスピーカでは前面に反射される結果、駆動部から直接に出される音に妨害を与えることになります。

壁近くに配置されたスピーカでは、いわゆる“くし型フィルタ”効果が生じます。これは、スピーカから出される音と、壁から反射される音の位相差によって、出力される音の周波数領域に強めあうところと弱めあう部分が交互に現れるものです。200Hz以下では、出力が最大6dB増加し、400Hz付近では壁からの反射音とスピーカからの出力音との間で位相がずれるため、周波数特性に落ち込みが生じます。また、650Hz近辺では、反射音の波長が直接音の波長と等しくなり、周波数特性にピークが生じます。

図に自由空間で1mはなれた位置で測定した、KEF社の KHT9000システムの音響特性(青)と、壁付近に設置した場合の特性(灰)を示します。

スピーカが壁に沿って配置されている場合に生ずる特性の変化を補償するために、セレクタマウント・システムのクロスオーバネットワークにフィルターエレメントが入れられています。80 から200Hzに亘って応答特性が持ち上がっていたところが補正されているのが、このシステムの効果によるものです。KHT9000では650Hzでのピーク特性が補正されています。80Hz以下での特性の持ち上がりは残っていますが、このことで駆動部に影響を与えずに、さらに低音域の拡張を図ることができます。400Hzでの特性の落ち込みは残っていますが、これは簡単な方法や切替可能な方法などで補正するには、やや難しい問題です。
 

図にフィルタ回路を付加し、自由空間で1mはなれた位置で測定した、KEF社の KHT9000システムの音響特性(青)と、壁付近に設置した場合の特性(灰)を示します。

セレクタマウント・システムでは、スピーカが壁に設置される場合にはフィルタ回路が自動的に動作し、標準型スタンドに設置される場合には動作しません。ユーザの手を煩わせることはありません。