スピーカーにおけるエージングの重要性

オンラインフォーラムで戦争に火をつけたいなら、スピーカーのエージングやケーブルの話を持ち出すとよいでしょう。この記事では、ケーブルについてはあまり触れませんが、スピーカーのエージングに関してお話しいたします。

新しいスピーカーのエージングの必要性については、根本的に対立する二つの考え方が存在します。

ひとつは、「スピーカーのエージングなんてとんでもない」という考え方です。これは、新しいスピーカーの音に耳が慣れてしまい、スピーカーの総合的な性能は使っても知覚的に変化しない、という考え方です。

第二の考え方は、スピーカーはホワイトノイズ発生器と低音重視の音楽で数百時間のバーンインを経て初めて聴く価値があるとするものです。これは、スピーカーの性能を一般的なリスナーでも楽しめるようにするためには、適切なエージングでの慣らしが必要だという考え方に基づくものです。

現代のサスペンションやサラウンドの構造には高度な材料が使用されているため、スピーカーの性能は時間とともに変化するというのが単純な真実です。箱から出したばかりのスピーカーは、特に低音域が少し硬く聞こえる傾向があります。新しいドライバーの全体的なレスポンスが、少しタイトであったり、制限されていたりすることに気づくかもしれません。しばらくすると、スピーカーが開き、より自然な音になるのがわかるでしょう。

これは、販売店でよく鳴るスピーカーの試聴をした場合、絶対に起こりうることで、販売店では、暖かさと深みを伴った素晴らしい音がしていたはずです。しかし、自宅では、新品のスピーカーが冷たく浅い音で鳴るのです。販売店では何十時間、いや何百時間も使っていたのに、工場出荷時の新品のスピーカーは硬いままになっている状況と言えます。

サスペンションが最も大きく変化します。サスペンションは含浸された繊維でできており、繊維がストレスを受けるとミクロのレベルで繊維が少し引き離され、柔らかくなるのです。慣らし運転は、数時間から数日かかります。これは、エージングでの慣らしに使用する信号によって大きく異なります。より大きな音量の音楽は、より早くドライバーを慣らすことができます。また、低音の多い音楽は、そのプロセスを早めます。同じ効果がヘッドホンドライバーにも適用されます。”

- KEF音響責任者 ジャック・オークリーブラウン博士より

スピーカーに多くの信号が印加されると、サスペンションとサラウンドは変形し始めます。その変形によって、サスペンションとその周囲を構成する材料が柔らかくなり、より柔軟になります。なお、コーン自体は変形しません。変形 とは、単にスピーカーコーンとボイスコイルの動きに合わせて形状を変えることを意味いたします。

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